日本動物誌は、江戸時代後期に長崎の出島に滞在したフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが収集した膨大な資料をもとに、テミンクやシュレーゲルといった著名な動物学者たちと共に編纂した、日本の動物相を包括的に記録した初の記念碑的な学術書です。全5巻からなるこの著作は、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、そして魚類について、写実的で美しい色彩図版と共に詳細な学術的記載がなされており、当時の日本の豊かな生物多様性を西洋社会に初めて系統的に知らしめる上で決定的な役割を果たしました。現代においても、多くの日本産動物の学名の根拠となったタイプ標本が数多く記載されているため、分類学や博物学の研究において欠かすことのできない不朽の古典文献として、今なお極めて高い価値を保ち続けています。
