コバルトスズメは、西太平洋のサンゴ礁域に広く生息するスズメダイ科の魚類であり、その名の通り全身が深く鮮やかなコバルトブルーに彩られた、海水アクアリウムにおいて非常にポピュラーな種です。ルリスズメダイという和名でも知られる本種は、光の屈折によってサファイアのような強い輝きを放ち、水槽内に南国の海の色彩をそのまま持ち込んだかのような華やかさをもたらしてくれます。飼育に関しては極めて強健で、水質の変化や環境の導入初期にも強い耐性を持つため、海水魚を初めて飼育する方の入門種として、あるいはろ過バクテリアの安定を確認するためのパイロットフィッシュとして長年重宝されてきました。人工飼料にも容易に馴染み、餌付けの苦労が少ない点も大きな魅力ですが、成長に伴って強い縄張り意識を持つようになるため、混泳の際にはライブロックを複雑に組んで隠れ家を十分に用意するなどの工夫が、コミュニティタンクでの平和を維持するための重要な鍵となります。
