アブラヤッコは、深みのある黒から濃紺の体色に、体側中央に入る白い鍵穴のような斑紋が特徴的なキンチャクダイ科に属する海水魚です。学名を Centropyge tibicen といい、その模様から英語圏ではキーホールエンゼルフィッシュとも呼ばれ、西部太平洋のサンゴ礁や岩礁域に広く生息しています。小型ヤッコの仲間の中ではやや大きめに成長する部類に入りますが、非常に丈夫な性質を持ち水質変化に対する適応力も高いため、人工飼料への餌付けも容易でありマリンアクアリウムの初心者にとっても飼育しやすい種類として知られています。落ち着いたシックな体色は水槽内で独特の存在感を放ちますが、自然界では岩肌の藻類や底生生物を食べて生活しているため、飼育環境下でもライブロックやサンゴをついばむ習性があり、サンゴをメインとしたリーフタンクに導入する際にはポリプを食害しないよう注意深く観察する必要があります。
