
アイ、このバケツ、サンゴの写真がいっぱい! 何が入ってるの?

海水を作るための塩よ。人工海水っていうの。

お水じゃなくて塩なんだ。中はどうなってるんだろう?

メーカーが中身の写真を載せているわ。一緒に見てみましょう。
こんにちは。アクアグッズナビゲーターのアイです。今日は、お店でコタロウが見つけた人工海水のバケツから、小さな探究が始まります。


わあ、真っ白! おうちの塩みたいだね。

見た目は似ているわね。でも、海の生き物が暮らす水を作るために、いろいろな成分が配合されているのよ。

じゃあ、こっちとこっちも中身が違うの?

そこが気になるわね。まず、この白い粒がどこから来たのか調べてみましょう。
この記事にはAmazonアソシエイトの商品リンクが含まれます。資料・販売ページの確認日:2026年10月6日。
バケツの名前をたどったら、本物の海に着いた
写真の二つは、どちらもRed Sea(レッドシー)の人工海水。「Red Sea」は、アフリカ大陸とアラビア半島の間にある紅海の英語名でもあります。
メーカーの製法紹介によると、主原料の塩化ナトリウムは、その紅海の海水から採っています。砂漠の太陽で水分を蒸発させ、結晶を取り出して洗浄・乾燥する。工場の配合の話かと思ったら、出発点は海と太陽でした。

名前だけじゃなくて、本当にその海から来たんだ!

ええ。塩の原料を採るところは、太陽の力を借りているのよ。

じゃあ、海のお水を乾かして、バケツに詰めたの?

それだけでは完成しないの。採れた塩を土台にして、ほかの成分も加えながら、水槽用に配合を整えるのよ。
「天然の海から採った原料」と「水槽に合わせた配合」は、同じバケツの中で両立しています。この製法はレッドシーの説明によるもの。人工海水がどれも紅海から作られている、という意味ではありません。
資料:Red Sea公式カタログ・原料採取と配合の解説(2017年、4ページ) ↗
同じ白い粒でも、サンゴの暮らしに合わせて違う
食塩の主成分も塩化ナトリウムですが、それだけでは飼育用の海水の成分バランスにはなりません。人工海水は、塩分だけでなく、カルシウムやマグネシウムなども含めて水を作るためのものです。
ここで、バケツに描かれたサンゴへ目を戻してみましょう。硬い骨格を作るサンゴは、水中のカルシウムや炭酸塩を骨格の材料に使います。魚だけを眺めていると気付きにくい、水そのものが成長の材料になるという話です。

サンゴって、お水の中にあるもので、あの硬いところを作るんだ。

そうよ。水槽の中では、成長するにつれて使われる成分もあるの。

じゃあ、なくなったら困っちゃうね。

だから水換えや、必要に応じた補給で整えるのね。人工海水も、どんな水を作りたいかで配合が違うのよ。
二つの製品を同じ塩分濃度35pptで比べると、公式の目安は次のようになります。濃さの条件をそろえて、初めて中身を比較できます。
| 作った海水の目安 | レッドシー ソルト | コーラルプロ ソルト |
|---|---|---|
| カルシウム | 430mg/L | 465mg/L |
| マグネシウム | 1,310mg/L | 1,390mg/L |
| アルカリ度 | 8dKH | 12dKH |
出典:メーカー公式比較図・35ppt条件。標準的な配合の目安であり、すべての水槽にこの値を目指すよう勧める表ではありません。製品の現行表示・説明書を優先してください。
表の「アルカリ度」は、酸によるpHの変化を抑える働きに関係する指標です。海水では、サンゴが使う炭酸水素イオンや炭酸イオンとも関わります。塩分の濃さやpHそのものとは別の数値で、バケツの大きな「8」「12」はここに対応しています。

黒いふたの方が、数字が大きいね。こっちの方がいいの?

数字が大きければ、どの水槽にもいいとは限らないのよ。今の水槽の状態や、育てたいサンゴに合わせることが大切なの。

大きな数字だけで決めちゃだめなんだね。
まずは、紺色のふたの方から。
レッドシーソルトは、35pptでアルカリ度8dKHを目安にした配合です。メーカーは、特にSPSと呼ばれる小さなポリプの硬いサンゴを中心にした水槽などに案内しています。こちらもサンゴ飼育向けの製品で、「通常版は魚だけ、PROはサンゴ用」という分け方ではありません。
上の商品は7kg入り。製品の配合・用途はメーカー公式説明を参照しています。
では、黒いふたのPROは?
コーラルプロソルトは、基礎成分をさらに高めた配合です。メーカーは、複数タイプのサンゴを育てる水槽や、SPSの小片を育成する水槽などに案内しています。水槽で消費される成分をどう補うか、という管理方針と一緒に選ぶ製品です。
上の商品も7kg入り。配合と用途はメーカー公式説明を参照しています。
「PROだから上位互換」ではなく、作る海水の設計が違う。既に飼育している水槽なら、使っている人工海水や普段の測定値、添加剤で補っている量も含めて考えます。配合を変える際は、一度に水質を大きく変えないよう、販売店やメーカーの切り替え案内を確認しましょう。
ふたの先には、製造ロットの検査結果まで

見た目は同じ白い粒なのに、数字まで決めて作ってるんだね。

調べていたら、もう一つ面白いものを見つけたわ。買った塩の製造番号から、工場の検査結果を見られるの。

えっ、このバケツの中身を調べた結果?

正確には、その塩と同じ製造ロットを調べた結果ね。どんな成分か、後から確かめられるのよ。
レッドシーにはMyBatchという公式サービスがあります。手元の製品の製造ロット番号を使い、そのロットの品質管理検査の結果を参照する仕組みです。メーカーは、海水の成分に合わせたICP分析も品質管理に用いると説明しています。
これは自宅の水槽を測定するサービスではありません。それでも、「何が入っているか分からない白い粉」から、製造記録をたどれる飼育用品へ見え方が変わる発見です。
レッドシーはRO水を使い、水に塩を加えて溶かす方法を案内しています。攪拌の時間や温度、作り置きの条件は商品ごとに確認が必要です。袋に書かれた容量だけで判断せず、使用前に塩分濃度と水温を確かめます。
実際の準備や測る道具は、海水魚を迎えるための用品ガイドでまとめています。今回はバケツの中身の探究、次に実際に作るなら、そちらも一緒にどうぞ。

最初はお水が入ってるのかと思ったのに、海までつながっちゃった。

海から採った原料に、水槽で暮らす生き物のための工夫が加わっていたのね。

あの白い粒を見たら、今度は海と太陽を思い出しそう!

ふふ。小さなバケツにも、調べてみると大きな世界があるでしょう。
サンゴの写真にひかれて立ち止まった売り場。もう一度二つのバケツを見れば、色や名前の奥に、原料の産地や海水の配合まで見えてきます。コタロウとの探究は、今日はここまで。また気になるものを見つけたら、一緒にのぞいてみましょう。




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