汽水魚とは、河川の淡水と海水が混ざり合う河口や干潟、マングローブ林などの「汽水域」を主な生活場所とする魚類です。熱帯魚として流通する種類には、アーチャーフィッシュ、モノダクチルス、スキャット、ミドリフグ、バンブルビーゴビー、マッドスキッパーなど、独特な姿や生態を持つ魚が数多く含まれます。塩分濃度や水位が絶えず変化する環境に適応しているため、淡水魚や海水魚とは異なる生理機能と、たくましい環境適応能力を備えています。
汽水魚の飼育では、海水用の人工海水を使用し、種類や成長段階に適した塩分濃度を維持することが重要です。幼魚期は淡水に近い環境で生活し、成長に伴って塩分濃度の高い場所へ移動する種もいるため、長期飼育ではそれぞれの生活史を理解する必要があります。本図鑑では、比重計を用いた塩分管理や水質の安定化、種ごとの適切な餌、水槽サイズ、混泳時の注意点をはじめ、干潟やマングローブを再現したレイアウトなど、個性的な汽水魚を健やかに飼育するためのポイントを詳しく紹介しています。

