電気定位とは、生物が電気を利用して周囲の環境や物体の位置を把握する感覚能力で、特にモルミルス科やジムノティフォルメス類などの弱電気魚で高度に発達しています。弱電気魚では体内の発電器官から微弱な電気信号を発し、その電場が餌や障害物などによって変化する様子を体表の電気受容器で感知することで、濁った水中や暗い環境でも周囲の状況を立体的に把握することができます。電気定位は視覚に頼りにくい環境での移動や採餌に役立つだけでなく、種類によっては電気信号が個体識別や求愛、縄張りなどのコミュニケーションにも利用されます。電気定位を理解することは、電気魚が視界の限られた水中環境へどのように適応し、特殊な感覚世界を築いているのかを知るうえで重要です。

