ナマズの仲間(ナマズ目)は、南極大陸を除く全世界の淡水域を中心に広く分布する、非常に多様性に富んだ魚類のグループです。その多くに共通する最大の特徴は、口付近にある長い「ひげ」にあります。このひげは優れた感覚器官として機能し、視界の悪い水中や夜間でも餌を探し、周囲の状況を的確に把握することを可能にしています。一般的に鱗を持たない種が多く、滑らかな皮膚や、種によっては皮膚呼吸を補助する機能を備えている点も生理的な特色です。
本図鑑では、南米のピメロドゥス科やアフリカのシノドンティス類、東南アジアに生息するガラスナマズやバグルス科など、観賞魚として親しまれている代表的なナマズ類を収録しています。なお、特殊な形態進化を遂げたプレコやオトシンクルス(ロリカリア科)、コリドラス(カリクティス科)は別カテゴリーとし、ここではそれらを除いた広義のナマズ類に焦点を当てています。夜行性の強い種が多く、物陰を好む性質や底生生活に適応した独特の行動、そして食性に応じた管理方法を理解することは、水槽内での長期飼育を実現するために欠かせない知識となります。
