クリプトコリネは、東南アジアの熱帯域を中心に自生するサトイモ科の水草で、その多様な色彩と形状からアクアリウムの至宝とも称されます。ジャングルの川辺や湿地などのやや暗い環境を好む陰性植物であり、深い緑から赤茶色、さらには複雑な模様を持つ葉など、種によって驚くほど豊かな表情を見せてくれます。成長は比較的緩やかですが、一度環境に馴染むと地下茎を伸ばして群生し、水槽内に時間の経過を感じさせる落ち着いた雰囲気と、自然界の奥深さを再現してくれる非常に魅力的なグループです。
具体的な種類としては、飼育しやすいウェンティーやベケッティー、小型のパルヴァ、独特な葉姿のレトロスピラリスなどが代表的です。育成の際は、環境の変化によって葉が溶けるクリプトコリネ・メルトと呼ばれる現象に注意が必要ですが、根茎が生きていれば新しい葉が展開するため、植え替えを控えて見守ることが大切です。根からの栄養吸収が非常に強いため、底床肥料の追肥が美しさを維持するポイントとなります。個体を選ぶ際は、根茎が太く硬いもの、そして根が白く健康的に伸びている株を選ぶようにしましょう。
