アフリカンシクリッドは、主にアフリカ大陸のマラウィ湖やタンガニイカ湖といった巨大な古代湖に生息するシクリッドの仲間です。淡水魚でありながら、まるで海水魚のような鮮烈なブルーやイエローの体色を持つ種が多く、その美しさから「泳ぐ宝石」とも称されます。岩場の隙間を縫うように泳ぐムブナの仲間や、優雅なヒレを持つピーコックシクリッドなど、適応放散によって生まれた多様な形態と、口の中で卵や稚魚を守り育てる「マウスブルーディング」という高度な繁殖生態が大きな特徴です。
本図鑑では、これら個性豊かなアフリカンシクリッドの種類と、その魅力を引き出すための飼育法を紹介しています。彼らの多くは弱アルカリ性の硬水を好むため、底床にサンゴ砂を使用するなど、一般的な熱帯魚とは異なる水質管理が必要です。また、縄張り意識が強く気性が荒い面があるため、隠れ家となる複雑な岩組みレイアウトを作ったり、あえて過密に飼育して攻撃の対象を分散させたりといった工夫が求められます。独特の環境とかかわり方を理解することで、非常に人懐っこく、知的な彼らとの深い付き合いを楽しむことができます。
