ドワーフシクリッド、特にアピストグラマの仲間は、南米のアマゾン川流域などの広大な水系に生息する小型シクリッドの総称で、その繊細かつ絢爛な美しさから「泳ぐ宝石」と称されます。最大でも数センチから10センチ程度と小型ながら、オスがヒレを最大限に広げて相手を威嚇したりメスに求愛したりする「フィンスプレッディング」の瞬間に見せる色彩は、息をのむほどの輝きを放ちます。アピストグラマ・アガシジィやカカトイデス、そして愛らしい体型と色彩で人気のラミレジィなど、地域変異や改良品種を含めると膨大なバリエーションが存在し、そのコレクション性の高さも大きな魅力です。
本図鑑では、これらドワーフシクリッドの主要な種や地域変異ごとの特徴を詳しく解説しています。彼らの飼育の醍醐味は、なんといっても繁殖行動の観察にあります。流木やシェルターの中に産卵するケーブスポウナーや、オープンスポウナーなど種によって異なる産卵形態を持ち、親魚が甲斐甲斐しく稚魚を守り育てる姿は感動的です。また、現地の環境に近い弱酸性の軟水を維持することで本来の強烈な発色を引き出す「水作り」の楽しさや、ペアの相性を見極めるポイントなど、小型水槽の中に広がる奥深い世界を楽しむためのノウハウを提供します。
