Stenorhynchus seticornis(ステノリンクス・セティコルニス)とは、大西洋やカリブ海のサンゴ礁域に広く分布し、その名の通り「鋭い鼻(額角)」と「剛毛のような脚」を特徴とするクモガニ科の甲殻類であり、アクアリウムの世界ではイエローラインアロークラブの名でも知られる非常に個性的な観賞カニです。全身を彩る極めて繊細な黄金色の縞模様と、体長を大きく上回るほど長く伸びた脚部が織りなす独創的なフォルムは、水槽内に異彩を放つ美しさをもたらすだけでなく、岩陰に潜むウミケムシを積極的に捕食するクリーナーとしての実用的な側面も高く評価されています。しかし、非常に強い縄張り意識と貪欲な食性を持ち合わせているため、小型の甲殻類や動きの遅い小魚との混泳においては十分な観察と広い飼育スペースが必要となり、脱皮を円滑に進めるための微量元素の管理やストレスの少ない環境維持が、この神秘的な生物の健やかな成長を支えるための重要な基盤となります。
