Lepidosiren paradoxaは、南米のアマゾン川やパラグアイ川流域に広く分布する、レピドシレン科を代表する唯一の現生種です。肺魚の中でも特に細長い、ウナギを思わせる流線型の体躯を持ち、胸鰭と腹鰭が紐のように細く退化していることが外見上の大きな特徴です。数億年前のデボン紀からその姿をほとんど変えていないことから「生きている化石」と呼ばれ、進化の過程を解明する上で極めて重要な存在とされています。彼らは空気呼吸のための高度な肺を発達させており、乾季に水が干上がると泥の中に潜って繭を作り、数ヶ月にわたって代謝を抑える夏眠という驚異的な生存戦略を持っています。幼魚期には黒い肌に鮮やかな金色の斑点が散りばめられていますが、成魚になると落ち着いた黒褐色へと変化し、その悠久の時を感じさせる佇まいは多くの古代魚愛好家を魅了し続けています。
