最大ゲノムとは、生物が持つ全遺伝情報の規模が極めて大きい状態を指し、脊椎動物の中では肺魚がその代表として知られています。近年のゲノム解析により、オーストラリアハイギョや南米肺魚、アフリカ肺魚の仲間は、ヒトの10倍から14倍以上という驚異的なサイズのゲノムを持つことが判明しました。この巨大なゲノムは、進化の過程で「動く遺伝子」と呼ばれるトランスポゾンが大量に蓄積し、自己複製を繰り返した結果であると考えられています。数億年にわたり姿を変えず生き抜いてきた肺魚の強靭な生命力や、水中から陸上へと進出した脊椎動物の進化の足跡を解き明かす鍵として、この膨大な遺伝情報は分子生物学の分野で非常に重要な研究対象となっています。
