ヘモグロビンは、赤血球内に存在する鉄結合性の呼吸色素であり、肺やエラで取り込んだ酸素と結合して全身の組織へ運搬する極めて重要な役割を担っています。このタンパク質の量や質は、生体のエネルギー代謝や活動レベルに直結しており、鉄分不足による貧血や環境水中の酸素濃度低下などのストレス要因によって敏感に変動します。魚類においては、種類や生息環境によってヘモグロビンの酸素親和性が高度に最適化されており、比較血液学の観点からもその多様性と適応戦略は非常に興味深い研究対象です。飼育下での健康状態を把握する上でも、ヘモグロビン濃度の推移は生理的なコンディションを測るための不可欠な指標の一つとなっています。
